この娘が、
いまは亡き我が子?
いまは亡き妻?
いまは亡き恋人?

そうでないなら、
はたしてこの子は
何者なのか?

自分が命を落とすようなことがあったら、
もういちど生まれ変わる。

月のように。
いちど欠けた月がもういちど満ちるように―

そして、あなたの前に現れる。 ~『帯紙』より~

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あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──
目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 
三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、
その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。
この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。 

本書はかなり前に読んだ本なのですが本ブログにアップし忘れて又読んでしまいました💦
さすがに4分の1読んだあたりで気づきましたが
せっかくなので最後まで読みました。
以下の感想等は以前読んだ時に別ブログにアップしていた感想を転載したものです。

『直木賞受賞『月の満ち欠け』rebornキャンペーンがスタートしました!
新カバーでお近くの書店さんに登場中。
新カバーの裏には、受賞式で読み上げられた佐藤正午さんのメッセージが印刷されています。』

私が購入したのはキャンペーン商品だったのね^^;
二重カバーになっていたので???
直木賞を受賞したのでカバーを変えたかったのかな?とも思ったのですが
それなら最初のカバーを外すよね!?
編集者のコメントを読み納得しました。
追加されたカバーの裏にはちゃんと佐藤正午さんのメッセージがありましたよ(^^)

輪廻転生をテーマにした物語は
これまでにも沢山出会いましたが
本書では生まれ変わりを「月の満ち欠け」にたとえており
とても詩的な表現で心にすっと入ってきました。

愛する人に出会うため輪廻転生を繰り返す瑠璃
瑠璃の繰り返しの生により振り回される人々の戸惑いと混乱…

確かに純粋な究極の愛を描いていると思うのですが
それは愛というよりもエゴに近い?
そう感じてしまった私はひねくれているのかも…^^;
ラストもビックリで…衝撃というよりも…何でもあり?
小山内さんもこれは嫌でしょう!?

佐藤正午さんの作品を初めて読みましたが
登場人物にあまり共感できず…
でも物語としてはとても面白かったです。
冒頭から不穏な雰囲気を醸し出し
輪廻転生もの?とすぐに気づきましたが
これほど繰り返されるとは…
正しく“月の満ち欠け”でしたね。

最近私は電車の中でしか本を読まないのですが
本書は続きが気になり帰宅後も読み続け
ほぼ一気読み!?でした(^^)