「宝島」・・・真藤順丈 (講談社)

(内容)
 英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。
固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。
生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。
少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり
―同じ夢に向かった。
超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩!!

宝島

第160回 直木賞受賞
第9回 山田風太郎賞受賞
2冠達成!
『基地から持ち出された"予定外の戦果”と"英雄の行方”
奪われた沖縄を取り戻すため、少年少女は立ち上がる。
~『帯紙』より~

読みながら言葉では表せないほど衝撃を受けました
当時の沖縄にタイムスリップしたかのように
物語の中へと惹き込まれ・・・目の前に突きつけられた事件・事故
その描写に怒りや哀しみと同時に
沖縄のその後を知っているモノの諦め、そして悔しさ・・・
さまざまな感情が押し寄せてくる

実際に復帰前の沖縄で起きた米軍人(軍属)による
事件事故が描かれており
(交通事故(ひき逃げ)や強姦・暴行・殺人)
1959年宮森小学校米軍機墜落事故
1967年教公二法阻止闘争
1969年知花弾薬庫で毒ガス漏れ
1970年コザ騒動
1971年毒ガス兵器移送(レッドハット作戦)
登場人物も
屋良朝苗主席(初代沖縄県知事) 
瀬長亀治郎さん(那覇市長・国会議員)(最初の登場シーンは収監された刑務所)
又吉世喜さん キャラウエイ高等弁務官など実在の人物も多数登場

架空の登場人物、グスク、レイ、ヤマコの生き様を
実際の出来事を絡めながらまるでフィクションのように描いていて

(ウチナーグチにこだわっていたので方言を知らないと読みづらい!?)
冒頭ではそう思いながら読んでいましたが
途中から方言だろうが標準語だろうがどうでもいいや!と
物語の先が知りたくて一気読みでした^^;