本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・三浦しをん

「本屋さんで待ちあわせ」


「本屋さんで待ちあわせ」・・・三浦しをん(だいわ文庫)

(内容)
この世界に、本と漫画があるかぎり。本は、ここではないどこかへ通じる道である―。読書への愛がほとばしる、人気作家の書評とそのほか。思わず書店に走りたくなる情熱的ブックガイド!

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当代随一の人気作家が贈る情熱的ブックガイド! 本は、「ここではないどこか」へ通じる道である──。本と、本を愛するすべての人に捧げる三浦しをんの書評とそのほか。待望の文庫化!
〜『出版社内容情報』〜

【目次】
1章 口を開けば、本の話と漫画の話(『女工哀史』に萌える読むと猛然と腹が減る ほか)
 2章 愉しみも哀しみも本のなかに
(時に抗った作家の生―『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月・著 『タブーと結婚「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ』藤井貞和・著 ほか)
 3章 本が教えてくれること
(『植民地時代の古本屋たち』沖田信悦・著 『中国名言集 一日一言』井波律子・著 ほか)
4章 読まずにわかる『東海道四谷怪談』(幕末迫る一八二五年に初演 伊右衛門 悪の魅力 ほか)
 5章 もう少しだけ、本の話
(孤独と、優しさと、茶目っ気と。―『駈込み訴え』太宰治・著 川の流れのように―『潤一』井上荒野・著 ほか)

今までに読んだ三浦しをんさんの作品が全て面白かったので、三浦さんおすすめの本に興味津々で読みましたが
私が知らない本が沢山紹介されていて
とても興味深い内容でした。
一番共感できた萩尾望都先生について氏が語った文よりの抜粋
『ちなみに、この文庫では基本的に著者名は敬称略にしているのだが、なんで「萩尾望都先生」「明日海りおさま」なのかというと…、ニュアンスを汲み取ってほしい!気づいたら敬称をつけてしまっていたのだ!神々を呼び捨てにはできんのが人情というもんじゃろう。』
正しく!
神を崇める!三浦しをんさんのファンになりました(笑)

「格闘する者に○まる」


「格闘する者に○まる」・・・三浦しをん (草思社)

(内容)
藤崎可南子は就職活動中。希望は出版社、漫画雑誌の編集者だ。
ところがいざ活動を始めてみると、思いもよらないことばかり。
「平服で」との案内に従って豹柄ブーツで説明会に出かけると、
周りはマニュアル通りのリクルートスーツを着た輩ばかりだし、
面接官は「あーあ、女子はこれだからなー」と、セクハラまがいのやる気なし発言。
これが会社?これが世間てもの?こんな下らないことが常識なわけ?
悩める可南子の家庭では、また別の悶着が…。
格闘する青春の日々を、斬新な感性と妄想力で描く、
新世代の新人作家、鮮烈なデビュー作。

「格闘する者に○まる」

冒頭の5~8頁を読みファンタジーもの?と思っていたら
なんと『志望』で就職活動中の大学4年生登場してきて
どうやらファンタジーではないらしいぞ?と遅まきながら気付き・・・
前情報無しで読み始めたのが良かったのか悪かったのか^^;
それにしても可南子の妄想描写は凄いですね
隣に座っている女の子がそんなこと考えているなんて・・・怖い(笑)

最初はなかなか入り込めなかったのですが
途中から頁を捲る手が止まらないくなり、ほぼ一気読み!でした
読後に調べたら、本書は三浦しをんさんのデビュー作で
なんと作者自身の就職活動をヒントに書かれたようです
三浦しをんさん、デビュー作からこのクオリティーの高さは凄い!


「愛なき世界」


「愛なき世界」・・・三浦しをん (中央公論新社)

(内容)
洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。
しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。
見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、
サボテンを巨大化させる後輩男子など、
愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…
人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?
道端の草も人間も、必死に生きている。
世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。


愛なき世界

恋のライバルは草でした(マジ)。
植物愛にのめりこむ変人たちの純愛活動

結婚にも生殖にも興味がない私は、
もしかして生命体として不完全なの?
~『帯紙』より~

装丁が綺麗♡
青井秋さんの荘画も美しく
本文を読む前からワクワク度数マックスに!


物語はT大植物学研究室と洋食屋「円服亭」が舞台となり
T大大学院生の本村さんに片思いの
円服亭の店員・藤丸の淡い恋物語になるのかな?と思っていましたが
これは究極のオタク話でしたね^^;
研究者の飽くことなき探究心はオタクという言葉ではまだまだ足りないほど

大分前に拝聴したノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんの講演を思い出しました
一つの物事に対して探究心を持ち続けることが出来る。それこそが才能なのでは!?
そう感じたことを本書「愛なき世界」を読みながら思い出しました。

恋のライバルが草では勝てませんね、藤丸さん(笑)
三浦しをんさんが描くオタク(?)物語、今回も楽しませてもらいました。
とても面白かったです(^^)

『舟を編む』『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』
先に読んだ3冊も私にとっては、立派なオタク本!だと思っていますが・・・!?


「月魚」


「月魚」・・・三浦しをん (角川文庫)

(内容)
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、
その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼
い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。

月魚

三浦しをん、凄いです!
今までに読んだ三浦さんの作品とは違った意味で魅せてくれた作品
長野まゆみさんの耽美的な世界に入っていきそうで
でも境界で戸惑いそこまでは入っていけない・・・!?
その繊細な心の動き、二人の関係性を美しい文体で描いている
古書店が舞台なのもノスタルジー感を醸し出しいいですね
瀬名垣と真志喜の物語をもっと読みたい!続編もあるのかな?


「神去なあなあ日常」


「神去なあなあ日常」・・・三浦しをん (徳間書店)

内容(「BOOK」データベースより)
美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。
先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?
林業っておもしれ~!
高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。
林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

神去なあなあ日常

(「2010年の読書日記」より)
本書は、林業を対象とした著者の“職業シリーズ一冊?”で
主人公が、体験した林業研修プログラムの覚書を
一人称形式で綴っている物語です。

都会っ子の主人公にとっては、いきなり山奥に連れてこられ
あまりの過酷な状況に置かれたことで
最初は逃げ出したくなるほど追い込まれていくけれど
次第に、周りの人々や林業に魅了されていく。
その過程を面白おかしく描いているので
読後はとても爽やかな気持ちにさせてくれる、
いい物語でした。


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