「ピアニッシモ」・・・梨屋アリエ (講談社)

(内容紹介)
幼い頃に松葉の孤独を慰めてくれたのは、隣の家から流れるピアノの音色だった。
中学3年になった松葉は、そのピアノの行方を追い、新しい持ち主紗 英と出会う。
同い年でも、性格も家庭環境もまるで違うふたり。
松葉は華やかで才能のある紗英に憧れ、心の拠り所を求めていくが……。

「ピアニッシモ」_

(「2004年の読書日記」より)
いちばん弱い音が、いちばん強く心に響く
1台のピアノが、結びつけた松葉と紗英。
ふたりが抱えるそれぞれの「痛み」。

吉野松葉は中学3年生。
隣家のピアノの行方を追って南雲紗英に出会う。

『家のなかに、一日のうちのたった三分でもいいから、
ちゃんと私の話を聞いて、
受け流さずに受け止めてくれる人がいてほしい……松葉』

『独り暮らしができるようになったら
さっさと家を出て、すっごい恋愛をして、
好きな人と幸せに平凡に暮らしたい……紗英』



第33回日本児童文芸家協会新人賞受賞作