本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・帚木 蓬生

「水神」


「水神」・・・帚木蓬生 (新潮社)

「水神(上)」
内容(「BOOK」データベースより)
目の前を悠然と流れる筑後川。
だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。
助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、
稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。
その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。
彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。
新田次郎文学賞受賞作。 
水神(上)

「水神(下)」
内容(「BOOK」データベースより)
ついに工事が始まった。大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。
百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。
「水が来たぞ」。苦難の果てに叫び声は上がった。
子々孫々にまで筑後川の恵みがもたらされた瞬間だ。
そして、この大事業は、領民の幸せをひたすらに願った老武士の、
命を懸けたある行為なくしては、決して成されなかった。
故郷の大地に捧げられた、熱涙溢れる歴史長篇。
水神(下)

(2016年に読んだ本)
今までにも様々な歴史小説を読みましたが
本書のような農民と庄屋の暮らしぶり、その苦難を描いた物語は初めてです。
身を粉にして働く農民の姿、五庄屋の貫いた信念、老武士の命懸けの嘆願、
上下巻の長編でしたが、一気に惹き込まれ、心にずしっと響く
涙溢れる感動の物語でした。


「受精」


「受精」・・・帚木蓬生 (角川書店)

内容(「BOOK」データベースより)
恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、
見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。
悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。
舞子はか つて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、
「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。
その言葉は、“生け る屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。
舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。
死んだ恋人の子供を身ごも るために…。
押し寄せる感動。衝撃のラスト! 比類なき愛と生命の物語。

受精

(「2005年の読書日記」より)
今まで読んだ帚木作品と何やら違うような・・・突拍子もない展開は
エンターテイメントとしては楽しめますが、いつもの緻密さはなかった!?
『総統の防具』がとても面白かったので本書も期待して読みましたが・・・
帚木作品に対するハードルが高いかも?
帚木作品ということを横に置いて読んでいたなら、面白い!って言えたと思う。



「総統の防具」


「総統の防具」・・・帚木蓬生 (日本経済新聞社)

内容(「BOOK」データベースより)
東西の壁が崩壊したベルリンで、日本の剣道の防具が発見された。
「贈ヒトラー閣下」と日本語で書かれ、日本からナチスドイツに贈られたものだという。
この 意外な贈り物は、国家と戦争に翻弄されたひとりの男の数奇な人生を物語っていた―。
1938年、ベルリン駐在武官補佐官となった日独混血の青年、
香田光彦 がドイツで見たものとは、いったい何だったのか。

総統の防具

(「2004年の読書日記」より)
居合いの剣で総統を魅了し、護衛に選ばれた日独混血の駐在武官補佐官。
だが、祖国・日本は、そしてもう一つの祖国・ドイツは、彼の思いとは別の道を歩んでいた―。



「カシスの舞い」


「カシスの舞い」・・・帚木蓬生 (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
分裂病と覚醒剤中毒の治療・研究に成果を上げている、
南仏マルセイユの大学病院解剖実習室で、首なし死体が発見された!
だが、被害者とおぼしき元患者のカ ルテは消えている。
疑惑を抱き、調査を始めた日本人精神科医・水野の周囲で次々に起こる、不可解な事件。
暗号名“カシスの舞い”の意味するものは。そし て、脳研究所で行なわれている実験とは―。
戦慄の医学ミステリー。

カシスの舞い_

(「2004年の読書日記」より)
麻薬と精神疾患、研究と人体実験…。
正しく、帚木作品ですね!
描かれている街並みがが映像のように浮かんでくる
帚木さんの留学体験が活かされている?



「十二年目の映像」


「十二年目の映像」・・・帚木蓬生 (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
その映像は、開けてはならないパンドラの箱だった!?
大手放送局に勤務する川原庸次は、かつて学生運動に参加していたという上司から
T大時計台闘争にまつ わるスクープ映像の存在を聞かされる。
初めは半信半疑の庸次だったが、十二年間にわたり地下に潜伏し続ける男、井田と出会い、
その存在を確信する。しかし 彼の死を境に事態は急変し…。
テレビ局を舞台にした緊迫の長編サスペンス。

十二年目の映像

(「2004年の読書日記」より)
東大安田講堂攻防戦を時計台内部から撮影したフィルムが存在した。
放送局に勤める庸次の心は動く。
権力側からではない、「解放区」からのフィルム…。
だが、庸次の熱意にうたれて秘かにそのフィルムを渡した保管者は
紛争後もセクト争いから対立派に狙われていた。
彼らにとってそれは危険な時限爆弾だったのだ。
情報社会の巨大組織、テレビ局の裏面を撃つサスペンス。


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