「檻の中の子」・・・トリイ・L・ヘイデン (早川書房)
内容(「BOOK」データベースより)
8年間、だれとも口をきかず、
日中ずっと児童養護施設の机の下でおびえている15歳の恐怖症の少年ケヴィン。
ひとたび恐怖心が爆発すると、猛獣のように暴れまわり、周囲や自分を傷つける。
180センチほどもあるこの少年を、
セラピストのトリイは心底、恐ろしいと感じることがあった。
ふたりで机の下にもぐっての長い努力のすえ、
ついにケヴィンは言葉を発し、あらゆる症状が快方に向かった。
が、ある日、ケヴィンが描いた一枚の絵を見てトリイは仰天した。
それはあまりに精密で写真のようにリアルだった―男が腹を裂かれ、
路上に腸をぶちまけられ、死肉をカラスがついばんでいる…
彼が心の奥に封じ込めていた激しい憎悪が解き放たれたのだ。
そして、彼自身と妹たちが義父から受けてきた、
おぞましい虐待の事実がひとつずつ明らかになっていく。
一時はすっかり治ったように見え、トリイの手をはなれたケヴィンだったが、
その後、傷害事件を起こし、精神病院や感化院へと送られてしまう。
怒りと憎しみの虜となった少年に、救いの道はないのか。
(「2001年の読書日記」より)
解説で精神科医の斎藤学氏は
「愛する者に保護されているという確信が崩れたときのトラウマの影響が
障害にわたって続くのである。」という。
それゆえ人は、人となる。
そして、ずっと心に傷を負ったまま生き続けなけなくてはとは悲しい…
そのことを全ての親は強く心に留め、子育てをしなくてはいけないのだと
悲しい子どもは、まだたくさんいつづけるのだろう…
内容(「BOOK」データベースより)
8年間、だれとも口をきかず、
日中ずっと児童養護施設の机の下でおびえている15歳の恐怖症の少年ケヴィン。
ひとたび恐怖心が爆発すると、猛獣のように暴れまわり、周囲や自分を傷つける。
180センチほどもあるこの少年を、
セラピストのトリイは心底、恐ろしいと感じることがあった。
ふたりで机の下にもぐっての長い努力のすえ、
ついにケヴィンは言葉を発し、あらゆる症状が快方に向かった。
が、ある日、ケヴィンが描いた一枚の絵を見てトリイは仰天した。
それはあまりに精密で写真のようにリアルだった―男が腹を裂かれ、
路上に腸をぶちまけられ、死肉をカラスがついばんでいる…
彼が心の奥に封じ込めていた激しい憎悪が解き放たれたのだ。
そして、彼自身と妹たちが義父から受けてきた、
おぞましい虐待の事実がひとつずつ明らかになっていく。
一時はすっかり治ったように見え、トリイの手をはなれたケヴィンだったが、
その後、傷害事件を起こし、精神病院や感化院へと送られてしまう。
怒りと憎しみの虜となった少年に、救いの道はないのか。
(「2001年の読書日記」より)
解説で精神科医の斎藤学氏は
「愛する者に保護されているという確信が崩れたときのトラウマの影響が
障害にわたって続くのである。」という。
それゆえ人は、人となる。
そして、ずっと心に傷を負ったまま生き続けなけなくてはとは悲しい…
そのことを全ての親は強く心に留め、子育てをしなくてはいけないのだと
悲しい子どもは、まだたくさんいつづけるのだろう…