本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・トリイ・L・ヘイデン

「檻の中の子」

「檻の中の子」・・・トリイ・L・ヘイデン (早川書房)

内容(「BOOK」データベースより)
8年間、だれとも口をきかず、
日中ずっと児童養護施設の机の下でおびえている15歳の恐怖症の少年ケヴィン。
ひとたび恐怖心が爆発すると、猛獣のように暴れまわり、周囲や自分を傷つける。
180センチほどもあるこの少年を、
セラピストのトリイは心底、恐ろしいと感じることがあった。
ふたりで机の下にもぐっての長い努力のすえ、
ついにケヴィンは言葉を発し、あらゆる症状が快方に向かった。
が、ある日、ケヴィンが描いた一枚の絵を見てトリイは仰天した。
それはあまりに精密で写真のようにリアルだった―男が腹を裂かれ、
路上に腸をぶちまけられ、死肉をカラスがついばんでいる…
彼が心の奥に封じ込めていた激しい憎悪が解き放たれたのだ。
そして、彼自身と妹たちが義父から受けてきた、
おぞましい虐待の事実がひとつずつ明らかになっていく。
一時はすっかり治ったように見え、トリイの手をはなれたケヴィンだったが、
その後、傷害事件を起こし、精神病院や感化院へと送られてしまう。
怒りと憎しみの虜となった少年に、救いの道はないのか。


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(「2001年の読書日記」より)
解説で精神科医の斎藤学氏は
「愛する者に保護されているという確信が崩れたときのトラウマの影響が
 障害にわたって続くのである。」という。
それゆえ人は、人となる。
そして、ずっと心に傷を負ったまま生き続けなけなくてはとは悲しい…
そのことを全ての親は強く心に留め、子育てをしなくてはいけないのだと
悲しい子どもは、まだたくさんいつづけるのだろう…




 

「ひまわりの森」

「ひまわりの森」・・・トリイ・L・ヘイデン (早川書房)

内容(「BOOK」データベースより)
少女時代のおぞましい体験によって心を蝕まれた母と、
彼女を抱えて懸命に生きる家族の姿を、17歳の娘レスリーの目を通して感動的に描く。
情緒障害児との心の交流を綴り、日本でも圧倒的な支持を集めているベストセラー作家が
実話をもとに、愛と祈りをこめて贈る初の長篇小説。


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(「2001年の読書日記」より)
17歳のレスリーの目を通して、ナチスによる悲惨な戦争体験をした母と
その家族が描かれている。
とても奥深く意義のある本でした。




「愛されない子」

「愛されない子」・・・トリイ・L・ヘイデン (早川書房)
  ―絶望したある生徒の物語

内容(「BOOK」データベースより)
美人で学歴も高く裕福なその女性ラドブルックは、
人をよせつけない雰囲気を漂わせ、
飲酒癖とたびたびの不倫で町でも浮いた存在だった。

そんな彼女が、重度の情緒障害に加えて
小児性糖尿病をかかえる8歳の娘が通うトリイの教室で、
娘への接し方を学びたいといってきた。
ラドブルックははじめのうちこそ緊張し失敗の連続だったが、
しだいにクラスに必要な存在になっていった。

だが、同時にラドブルックは人づきあいがうまくできないという問題に
長年苦しんでいることがわかってきた。
お高くとまっていると誤解されたり、夫とうまくいかないことや、
酒や不倫への逃避も、これが原因のようだった。

トリイは親身になってラドブルックを支え、ラドブルックも懸命に努力するが、
ふたりは苛立ちと挫折をくりかえす。
そして、ラドブルックの少女時代にさかのぼる辛く重い過去が徐々に明かされていく。

情緒障害児との心の交流を綴って世界中を大きな感動につつみこんできた著者が、
新たに親と子の問題を真正面からとらえた大作ノンフィクション。


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(「2001年の読書日記」より)
いつも子どものケアをしているトリイが
本書では、自分よりも年上の女性の相談に乗ることに。
毎回思うことですが、誰に対しても全力で接していくトリイ
その凄さに心響かされます。
本書も素晴らしい本でした。




「よその子」

「よその子」・・・トリイ・ヘイデン (早川書房)
  ―見放された子どもたちの物語

内容(「BOOK」データベースより)
トリイの補習教室は、あらゆるクラスからはみ出した四人の子どもたちで大混乱。
自閉症のブー、識字障害のロリ、粗暴なトマソ、うつ状態のクローディア。
苛酷な運命から彼らを救おうと全精力を傾けるトリイに彼らはいう。
「わたしたちみんな、どうせよその子じゃない。なんでそんなに気にかけるの?」
涙とケンカを繰り返し、やがて四人は互いの能力を引きだしあうようになる。
トリイと子どもたちの間に特別な絆が結ばれていく感動作。


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(「2001年の読書日記」より)
7歳の自閉症の子ブー、幼いころの虐待のせいで脳に傷があり読字障害のあるロリ。
父と兄を、継母に射殺されて増殺されて憎しみの虜になっていたトマノ。
無知な行動、過酷な運命から彼らを救い出そうとするトリイの元から
恋人は去っていく…。
以前読んだ本もそうでしたが、子どもの育つ環境を子ども自ら選ぶことはできない。
様々な虐待に苦しめられトラウマとなった子どもたち
心に痛いノンフィクション。



「子どもたちはいま」

「子どもたちはいま」・・・トリイ・ヘイデン/斎藤学 (早川書房)

内容(「MARC」データベースより)
情緒障害児との交流を綴り世界中を感動につつんだ作家と、
家族や虐待の問題に第一線から発言しつづる精神科医が
いじめ、教育、家庭などについて語りあった対談集。
98年のヘイデン来日講演の内容も収録する。


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(「2001年の読書日記」より)
本書は、1998年11月にトリイが来日、その際に行った講演
(5回の内3回は斎藤さんとの対談)
その内容を綴ったものである。
「子どもたちは何を考え求めているのか」
「いじめに子どもと大人は、どう対処すればいいのか」
「心が傷ついた人が、自分を取り戻す過程とは」
貴重な提言をした対談集で、とても興味深く読めた。
本書の中で斎藤さんが、神戸の少年Aの家族についてふれているのだが
今その家族の病理?について調査中だとか…是非本にして発行して欲しい…
今までに読んだ少年Aについて書かれた本からは
真実(心の)には近づけなかったから…
斎藤さんなら少しでも確信に迫ってくれるのでは!?
という期待感を持っている。




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