「絶対音感」・・・最相葉月 (小学館)

内容紹介
「絶対音感」とは、ある音を聞いたときに、ほかの音と比べなくても
ラやドといった音名が瞬時にわかる能力である。
これがあると、一度曲を聴いただけで楽器を弾いたり楽譜に書いたりでき、
小鳥のさえずりや救急車のサイレンの音程がわかったりもする。
過去の偉大な音楽家のベートーベンやモーツァルトにはあったとされ、
一般人に計り知れない能力として、天才音楽家の条件のように言われることが多い。

しかし、「そもそも曖昧であるはずの人間の感覚が“絶対”とは何なのか。
そんな疑問と語感の強さに引かれ、翌日辞典を開いたその瞬間にはもう、
その言葉のとらわれの身」となり、著者は絶対音感という神話を解き明かそうと試みる。

五嶋みどり、千住真理子、矢野顕子、大西順子、笈田敏夫ら絶対音感をもつ音楽家を取材し、
その特異な世界を紹介しつつ、脳科学や神経科学の専門家たちにあたって分析を試みる。

音楽と科学の間を行き交いながら、絶対音感にも仮性と真性があるなど、
「絶対音感=万能」という安易な幻想と誤解を一枚一枚引きはがしてゆく。


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(「1998年6月23日読書日記」より)
音楽家なら(絶対音感を持たない人)
喉から手が出るほど欲しい?もの…

著者は、絶対音感を持つ音楽家達へのインタビューを含め
様々な面からアプローチしている。
とても興味深く読めた。
そして勉強になった。