本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・重松清

「木曜日の子ども」


「木曜日の子ども」・・・重松清 (角川書店)

(内容)
「きみたちは、世界の終わりを見たくはないか――?」 震撼の黙示録! 
「世界はこんなに弱くてもろくて、滅ぼすなんて簡単なんだってことを……ウエダサマが教えてくれたんですよ」 
7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。 
結婚を機にその地に越してきた私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との距離をつかみかねていた。 
前の学校でひどいいじめに遭っていた晴彦は、毒殺事件の犯人・上田祐太郎と面影が似ているらしい。 
この夏、上田は社会に復帰し、ひそかに噂が流れる――世界の終わりを見せるために、ウエダサマが降臨した。 
やがて旭ヶ丘に相次ぐ、不審者情報、飼い犬の変死、学校への脅迫状。 
一方、晴彦は「友だちができたんだ」と笑う。信じたい。けれど、確かめるのが怖い。 
そして再び、「事件」は起きた――。 

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''神さま''になりたかった少年と、
"父親"になろうとした男。
どこまでも深い絶望の涯てに広がる、
終末の風景とはー。
平穏な日常に潜む裂け目と虚無を描ききった、
震撼の黙示録!
〜『帯紙』より〜

今までに読んだ重松清さんの作品と比べると
底なしのような深い心の闇の描かれかたに
ビックリ!

これまでに描かれた心の闇とは明らかに違う
一線を超えたと言えばいいのか
読みながらなんとも言えない気持ちになり
正直気分が悪くなるような内容で…

心の底から突き上げられような不安は
人ごとではない?そう思わせられる
無理矢理心の闇に向き合わされ 
否応なく迫ってくる…
リアルな恐怖で読み手をも追い詰めていく
とても危うい物語でした

春彦と義理の父親との関係
一見上手くいっているように見えるが
・・・春彦への壮絶ない虐め、ネットでの拡散
春彦を追い詰めていた者から
父親は守っているつもりでいた
でもそれは間違っていたのか?

ラストで何度も振り返る春彦に
微かですが希望が!?

第一章  事件
第二章  面影
第三章  気配
第四章  最初の事件
第五章  メモ
第六章  噂
第七章  週末
第八章  七年前
第九章  第二の事件
第十章  約束された土地
第十一章 終わりの始まり
第十二章 世界の終わりにたたずむ者
第十三章 愚か者の涙

「かあちゃん」


「かあちゃん」・・・重松清 (講談社)

内容(「BOOK」データベースより)
同僚を巻き添えに、自らも交通事故で死んだ父の罪を背負い、
生涯自分に、笑うことも、幸せになることも禁じたおふくろ。
いじめの傍観者だった日々の焦りと苦しみを、うまく伝えられない僕。
精いっぱい「母ちゃん」を生きる女性と、
言葉にできない母への思いを抱える子どもたち。
著者が初めて描く「母と子」の物語。

かあちゃん

(2014年に読んだ本)
重松さんの作品を読む度に思うことですが痛くて厳しいです…
でも読み終えた後、必ず温もりを感じさせてくれる。
本作「かあちゃん」も例外なく厳しい作品でしたが
エンディングでは、微かな希望が芽吹いたように感じられました。

『母ちゃんな…笑い方、忘れてしもうた」
親友をいじめた。
誰からも助けてもらえなかったあいつは
自殺を図り、学校を去った。
残された僕たちは、それぞれの罪を背負い
罰を受けて、一人の年老いた「かあちゃん」に出会った…。
~帯紙より~

各章ごとに語り部が変わることで
ひとつのエピソードがそれぞれの視点で描かれている。
正直読んでいて辛い物語でした
最後に微かな希望の兆し?
それでも起こった出来事の辛さは変わらない
そんな厳しい物語でした。


「あすなろ三三七拍子」


「あすなろ三三七拍子」・・・重松清 (毎日新聞社)

内容(「BOOK」データベースより)
合言葉は、押忍。
フツーのオヤジが、ヘタレな大学の応援団長にマジ社命で出向!?
ヤバい学ラン姿が、限りなく愛しい。
爆笑、ウルウル、熱い勇気がはじけ翔ぶ、応援小説。

 「あすなろ三三七拍子」

(「2010年の読書日記」より)
フツーのオヤジが、ヘタレな大学の応援団長にマジ社命で出向!?

重松作品の中ではめずらしく!?ユーモアたっぷりに描かれ
でも泣きどころもしっかりあるのは、やはり重松作品ですね。
読後に元気をもらえること間違いなし!
とても面白かったです。


「季節風・春・ツバメ記念日」


「季節風・春・ツバメ記念日」・・・重松清 (文藝春秋)

内容(「BOOK」データベースより)
古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、
子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、
その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、
美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春物語。
旅立ちとめぐり合いの12篇を収録。

季節風・春・ツバメ記念日

(「2009年の読書日記」より)
わたし、お母さんのおひなさま、捨てたくない…。
記憶の中の春は、幾度となく巡り来て
ひとびとの胸をうるおすものがたりの歳時記―「春」の巻、
12編からなる短編集です。
めぐりびな/球春/拝復、ポンカンにて/島小僧/
よもぎ苦いか、しょっぱいか/ジーコロ/さくら地蔵/
せいくらべ/霧を往け/お兄ちゃんの帰郷/目には青葉/ツバメ記念日

重松さんの本は毎回ティッシュペーパーをかかえて読みます。
本書も読みながら涙涙で、ティッシュペーパー必須は変わらず。


「隣人」


「隣人」・・・重松清 (講談社)

内容(「BOOK」データベースより)
バスジャック、通り魔、てるくはのる、ニュータウン…。
ぼくたちの夢と狂気を追った異色のルポルタージュ作品、誕生。

「隣人」

(「2009年の読書日記」より)
ルポライターやノンフィクション作家の真似事をするつもりはない。できるとも思わない。
ただ、読み物作家として、事件や状況に遅ればせながらの〈蛇足〉を付けてみたかった。
そのための〈寄り道〉を、ときには〈無駄足〉の道行きを、
読み物としか名付けようのないかたちで書き綴りたかった。――「まえがき」より

「和歌山カレーヒ素殺人事件」「池袋通り魔事件」等、日本中を震撼させた事件や
脱サラや出家、時事ネタのようなものまで、様々なジャンルをさらりとルポタージュ
正しく、「寄り道」ですね。


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