本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・大江健三郎

「「新しい人」の方へ」


「「新しい人」の方へ」・・・大江健三郎 (朝日新聞社)

内容(「BOOK」データベースより)
ノーベル賞作家が、子供にも大人にも作れる人生の習慣をアドバイス。
本をゆっくり読む方法、ウソをつかない力の鍛え方、意地悪な気持ちと向き合うことな ど、
16のメッセージと15点のカラーイラストが美しくひびきあう感動のエッセイ。
文庫への書き下ろし「『子供のための大きい本』を思いながら」も収録。

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(「2003年の読書日記」より)
「ウソをつかない力」をきたえて「意地悪のエネルギー」と戦う。
子供にも大人にも作れる人生の習慣。「「自分の木」の下で」第2弾。




「「自分の木」の下で」


「「自分の木」の下で」・・・大江健三郎/大江ゆかり:画 (朝日新聞社)

内容(「BOOK」データベースより)
なぜ子供は学校に行かなくてはいけない?
子供たちの素朴な疑問に、ノーベル賞作家はやさしく、深く、思い出もこめて答える。
16のメッセージと32点のカ ラーイラストが美しくひびきあい、心にとどまる感動のエッセイ。
「子供も『難しい言葉』を自分のものにする」を新たに加えた待望の文庫版登場。

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(「2003年の読書日記」より)
心に響く本でした。

 「人にはそれぞれ『自分の木』ときめられている樹木が森の高みにある
 人の魂は、その「自分の木」の根方から谷間に降りて来て人間としての身体に入る
 そして、森のなかに入って、たまたま「自分の木」の下に立っていると、
 年をとってしまった自分に会うことがある」
  7、8歳のころ、太平洋戦争の間に祖母からこの話を聞いた著者は、
年老いた自分にこう問いかけたいと思った。
 「――どうして生きてきたのですか?」
著者はこの質問に答えるためにずっと小説を書いてきたという。
しかし、それから60年近くがたち、「年をとってしまった自分」になってみると、
若い 人たちに向けて「自分の木」の下で直接話をするように書きたいという気持ちが強くなった。
自分の言葉が彼らの胸のうちで新しい命として生き続けられるよう に――。  
本書は著者が初めて書いた子ども向けの本である。
自伝的要素が強く、不登校、生きる理由と方法、自殺、言葉、戦争、反戦運 動、勉強の方法などをテーマに、
悩める子どもたちへの真摯なメッセージが著者自身の体験と共につづられる。
小学校で経験した敗戦、四国の山間で 父や母、祖母から伝え聞いた話、
勉強に勤しんだ学生時代の思い出の数々、障害を持って生まれた長男の誕生と成長…。
大江ゆかりの挿画は玉に傷だが、多くの 困難を乗り越えて偉業を達成した著者の言葉は、
暗闇に迷い込んだ子どもたちやその親に、希望という一筋の光明を与えるに違いない。(齋藤聡海)

私はこれまでの人生で、二度そのことを考えました。
大切な問題は、苦しくてもじっと考えてゆくほかありません。
しかもそれをするのはいいことです。

たとえ、問題がすっかり解決しなかったとしても、じっと考える時間を持ったということは、

後で思い出すたびに意味があったことがわかります。
私がそれを考えたとき、幸いなことに、二度とも良い答えがやってきました。
それらは、私が自分の人生で手に入れた、数知れない問題の答えのうちでも、いちばん良いものだと思います

(本文より抜粋引用)



「同じ年に生まれて」

「同じ年に生まれて」・・・大江健三郎・小澤征爾 (中公文庫)

商品説明
小澤征爾と大江健三郎。
活躍する世界は異なるが、1935年の同年に生まれた彼らは、
中学3年のときに現在の仕事を目指し、
若手芸術家として時代の先端を走り続け粘り強く仕事を重ね、
世界的にもっとも評価される日本人として
自らの人生を築き上げてきた、という点で共通している。
本書は40年来の友人である彼らが、
青春時代、家族、教育、民主主義、音楽と文学、共通の友人武満徹、
そして未来について、縦横に語り合った対談集である。

この対談集は次の2点で優れている。
1つは、通常のインタビューや対談では見られない
プライベートなエピソードや個人的な心情が、
ストレートに語られているということだ。
もう1点は、芸術の本質や音楽と文学の根本の原理について、
わかりやすい言葉で議論されているということである。
お互いに敬意を抱きあう関係だからこそ、
心を開いた自由闊達な対話が可能になったのだろう。
長年の経験と思弁に裏づけられた彼らの言葉のひとつひとつには重さがある。


内容(「BOOK」データベースより)
1935年に生まれた世界的指揮者とノーベル賞作家。
この日本を代表する二人の巨匠は、
同じ時代を少年として生き、芸術をこころざし、選ばれ、
そしていま喜びをもって新しい世代を送り出す側にまわっている。
「今のうちにもっと語りあっておきたい―。」
この思いが実現し、2000年に対談は行われた。


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(「2001年の読書日記」より)
とても意味深い対談集でした。
大江氏の音楽への深い理解
小澤氏の音楽家、教育家としての素晴らしさ
人間的な深さと洞察力、65歳になる初老!?のお二人、さすがです!



「取り替え子ーチェンジリング」

「取り替え子ーチェンジリング」・・・大江健三郎 (講談社)

内容(「BOOK」データベースより)
国際的な作家古義人の義兄で映画監督の吾良が自殺した。
動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、
そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。
ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…
大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇。


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(「2001年の読書日記」より)
「宙返り」を読んだ後でもあったので、大江氏のベースに流れている
少年時代、そのずっと昔その土地で起きた事柄にとても興味をそそられた。
氏の著作を何冊も読んでいるが、大江氏独特の不思議な筋立てを
少し理解出来たように思う…錯覚なのかな!?
義兄の自死を、小説と言うかたちで、もう一度振り返っている。
その背景に登場する人物や出来事に、野次馬根性の自分を発見し…
私自身がワイドショー化していて…言葉もなし…。




「宙返り 上・下巻」

「宙返り上巻」・・・大江健三郎 (講談社)

内容(「BOOK」データベースより)
急進派による無差別テロ計画を知り、実行を阻止するためにテレビで「
すべては冗談でした」と棄教を宣言した新興教団の指導者・師匠と案内人―十年後、
ふたりは若い協力者とともに活動を再開する。
だがその矢先、案内人が元急進派に殺され、事態は急変する。
希求する魂のドラマを描く、感動の長篇小説。

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「宙返り下巻」

内容(「BOOK」データベースより)
棄教ののち、リーダーが「地獄降り」を共にした腹心はテロに倒れ、
教会の各セクトそれぞれの企ての進むなか、四国の森のなかに根拠地は作られた。
…悲劇がすべて終った後、しかし、次のようにいう新しい世代は生き続ける。
―(たとえ神なしでも)私たちの教会は、「魂のこと」をする場所です。

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(「2001年の読書日記」より)
オウムの事件を絡めて、師匠と案内人、
宙返りから新しい教会が出来るまでを描いている。
ラストが意外な気がしたが、でもそれがなければ
永遠にこの物語は終わらなかったのかな?
パトロンの焼身自殺と、立花姉妹の殉死。
何か引っかかる結末でした…。
育雄が言った言葉
『教会という言葉は私らの定義で、「魂のこと」をする場所のことです。』
妙に心に残る…この物語は、育雄の救いの物語だったかもしれない。




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