「金の裏表 日雇い浪人生活録 六」・・・上田秀人 (ハルキ文庫)

(内容)
両替商・分銅屋仁左衛門の命を守り、右胸を負傷した用心棒・諫山左馬介。 
彼が傷の回復に専念していた頃──南町奉行所定町廻り同心・佐藤猪之助は、 
南町奉行の山田肥後守より、命令に反し分銅屋の周辺を調べ続けていることを咎められていた。 
一方、お側御用取次田沼意次による財政改革を阻もうとする目付たちは、 
田沼のさらなる出世を妨げるための次の一手に頭を悩ませていた。 
金の世へ移行するために賄賂を奨励する田沼、金の動きに敏い分銅屋、 
落ち着いた暮らしを夢見る浪人・左馬介…… 
時代を動かそうとする男たちから目が離せないシリーズ第六作!

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時代を動かそうとする男たちからますます目が離せない〜『帯紙』より〜

次から次へと敵が現れるのは上田さんの小説ではお決まりのパターンですが、本シリーズは少し違う?
南町奉行所定町廻り同心・佐藤猪之助は、左馬助を執拗に追い続けたことで同心をクビになるが、それでも諦めずに左馬助を見張り続ける。でもそれは左馬助が下手人だと気付いているからで、文銅屋を逆恨みする商人や、自らの出世欲にかられた目付たちとは違うような気がする。もちろん猪之助も手柄を立てたい気持ちが先に立ったのは否めませんが、どろどろした感じではない。これまでに読んだ上田さんの作品とは一味違うので先がらどうなるのかな?7巻を読むのが楽しみです。