「ザリガニの鳴くところ」・・・ディーリア・オーエンズ (早川文庫)

(内容)
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。 
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。 
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。 
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…… 
みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。 

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泣いたのは、森で一人ぼっちの彼女が、自分と重なったからだ。──同じ女性というだけで。島本理生氏(小説家) 
ずっと震えながら、耐えながら、祈るように呼んでいた。小橋めぐみ氏(俳優) 
素晴らしい小説だ。北上次郎氏(書評家、早川書房公式note流行出し版「勝手に文庫解説2」より) 
〜『帯紙』より〜

読み始めると頁を捲る手が止まらず一気読みしてしまった。

沼地に住む孤独な少女の人生を描いているのですが
その少女に降りかかる理不尽な出来事の数々
DV、差別、裏切り
幼い頃からずっと逆境の中ひとりで生きていくしかなかったカイア
これ以上カイアを苦しめないないで!と、祈るような気持ちで頁を捲っていました
背景描写、心理描写が素晴らしく、読みながらカイアと共に沼地で暮らしているような錯覚に!?面白かったです。