「歪んだ波紋」・・・塩田武士 (講談社)

(内容)
地方紙記者の沢村は、調査報道チームのデスクから一枚の写真を見せられる。
同僚記者が、ひき逃げ事件の犯行車両とスクープしたものだ。
「この車、遺族宅にあるらしい」。
沢村は取材へ急行する。
犯人は家族なのか――(「黒い依頼」)。
「誤報」を通じて現代社会の虚と実に迫る、著者会心の傑作。

IMG_1186

騙されるな。真実を、疑え。
悪意が、「情報」という仮面をかぶっている。必要なのは、一人で一人のジャーナリストだ。18万部のベストセラー『罪の声』から2年。“社会派作家”塩田武士が描ききった、こな世界を生き抜くためのリアルフィクション。
「誤報」にまつわる5つの物語。
新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディアー昭和が終わり、平成も終わる。気づけば私たちは、リアルもフェイクも混じった膨大な情報(ジャンク)に囲まれていた。その混沌につけ込み、真実を歪ませて「革命」を企む“わるいやつら”が、この国で蠢いている。松本清張は「戦争」を背負って昭和を描いた。塩田武士は「情報」を背負い、平成と未来を描く。
全日本人必読。背筋も凍る世界が見えてくる。
〜『帯紙』より〜

最後まで読み終えた後、NHKで放送されていたドラマだ!と気づき
読みながら何で先が分かるのかな?と不思議だったんですよね…^^;
「ドラマで観たんだから“当たり前!!”」
ドラマでは確か松田龍平さんが沢村役だったと思いますが(?)
原作を読んだばかりですが、もう一度ドラマを観たい!
再放送されないですかね!?

塩田さんの描く社会派小説は説得力があり面白いです
私はかなり前から、「ワイドショー化されたニュース番組」を観て、こんなんでいいの?と感じていたので、『週刊誌状態のネットでの情報は、(私は)90%は誇張かガセ?だと思いながら読んでいるので、どうしても気になるニュースは、ニュースソースをハッキリと示している専門家の意見をチェックするよう気をつけているつもり』ですが…「歪んだ波紋」を読んでメディアにおいての闇の深さに愕然とした。アメリカでの大統領選でのフェイクニースやでたらめなSNS報道に、よその国のことですが大丈夫?と心配していましたが…「歪んだ波紋」が“人ごとではないよ!”と強く訴えてきた
本書は、メディアを信じ過ぎる、特にネット情報を鵜呑みにしている方にお薦めしたい本です。