本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

2014年04月

「知的速読の技術」

「知的速読の技術 ―BTRメソッドへの招待―」・・・松田真澄 (JMAM)

(ーまえがきー「CRRS」より抜粋)
ここで紹介するのは、
私たちが独自に開発した速読トレーニングプログラムです。

速読とは、いたずらに速度のみを追求するものではなく、
読書に必要な諸能力を高めていくことによって
結果として可能になってくるものだと考えます。

その意味から私たちは、このトレーニングを
「読書する人のための基礎的訓練」と位置づけ
"BTR(Basic Training for Readers )メソッド"と名づけました。

現在のところ、"速読"は、
一部の驚異的な速読能力者ばかりがクローズアップされることによって、
十分な社会的信用を得ているとは言いがたい状況にあります。

また、同一の内容を繰り返し読ませ「読速度がたちまちに10倍になる」
「誰もが短時間に1分間に2万字、3万字達成した」などと
読書の常識から考えてトリックとしか判断せざるをえない現実も
速読の世界にはまだあります。

本書によって、速読の訓練というものが正当な評価を受け、
社会的に定着していくことが私たちの願いです。

本書は、学ぶ方の便宜を考え、次のような構成をとりました。

第1章 BTRメソッドの考え方、本書の使い方について述べます。

第2章 BTRメソッド速読訓練の実際の進め方について、具体的に解説します。

第3章 認知科学の研究成果を参考に、私たちの考える速読のメカニズムと、
    各訓練の目的について解説します。


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(「1997年10月08日の読書日記」より)
本書は、―BTRメソッドへの招待―とサブタイトルにあるように
正しく、“速読のメソッド”である。

速読とは何?を、知りたかっただけなので
メソッドは、私には役にたたなかった・・・

速読をマスターしたい方には
お薦めです。



「トットちゃんとトットちゃんたち」

「トットちゃんとトットちゃんたち」・・・黒柳徹子 (講談社)

(著者からのメッセージ)「講談社」より
この本を、私がユニセフの親善大使になった1984年から、
1996年までの13年間に、栄養失調や、感染症、
また内戦や戦争に巻きこまれながら、愚痴もいわず、
大人を信じて死んでいった1億8000万人の、
小さな子どもたちの魂に捧げます。

私は小さいとき、トットちゃんと呼ばれていました。

初めて、ユニセフの親善大使になって
タンザニアに行ったとき、スワヒリ語で、
子どものことを「トット」というのを知りました。

こんな偶然があるでしょうか。私の小さいときの呼び名が、
アフリカでは、「子ども」という意味だなんて。――
(「題名について」より)


私が会った子どもたちは、みんな可愛かった。

笑ってる子ども、ふざけてる子ども
赤ちゃんを、おんぶした女の子
さかだちを自慢そうに見せてくれた男の子
いっしょに歌ったこども、どこまでもついてきた子ども
いろんな子どもたちに、会った。

そして、両親や姉兄を目の前で殺された子ども
ゲリラに腕や足を切り取られた子ども
親が蒸発し、小さい弟や妹を残された女の子
呆然としてた男の子
家も学校も、すべて破壊されてしまった子ども
難民キャンプを、たらいまわしにされている孤児たち
家族を養うため売春する子ども。

だけど、だけど、そんなひどい状況のなかで
自殺をした子どもは一人もいない、と聞いた。

希望も何もない難民キャンプでも、一人もいないと。

私は、ほうぼうで聞いて歩いた。

「自殺した子はいませんか?」

「一人もいないのです」

私は、骨が見えるくらい痩せて、
骸骨のようになりながらも
一生懸命に歩いている子を見ながら
一人で泣いた。

(日本では子どもが自殺しているんです)

大きい声で叫びたかった。

こんな悲しいことがあるでしょうか。

豊かさとはなんなの?

私がいろんな子どもに会って
日本の子どもに伝えたかったこと。

それは、もし、この本の中に出てきた
発展途上国の子どもたちを
「可哀想」と思うなら、「助けてあげたい」と思うなら
いま、あなたの隣にいる子どもたちと
「いっしょにやっていこうよ」と話して。

「みんなで、いっしょに生きていこう」と、手をつないで。

私の小学校、トットちゃんの学校には
体の不自由な子が何人もいた。

私のいちばんの仲良しは、
ポリオ(小児マヒ)の男の子だった。

校長先生は、一度もそういう子どもたちを
「助けてあげなさい」とか、
「手をかしてあげなさい」とか
言わなかった。

いつも言ったことは
「みんないっしょだよ。いっしょにやるんだよ。」

それだけだった。

だから私たちは、何でもいっしょにやった。

誰だって友だちがほしい。肩を組んでいっしょに笑いたい。

飢えている子どもだって、日本の子どもと
友だちになりたいと思ってるんですから。

これが、みなさんに、私が伝えたかったことです。
(『最後に』本文より)


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(「1997年10月8日の読書日記」より)
この本には、あまりにも多くのメッセージが記されていて
読み終えた後、まだ呆然としている…そんな気持ちだ。

一人の出来ることは小さいけれど
出来ることから始めよう
そう黒柳さんは語りかけている。

無関心が一番の障害
まずは知ることから始め
そして何が出来るのか考え
それから一歩ずつ歩みはじめよう。



「同時代を撃つ~PART3」

「同時代を撃つ~PART3」・・・立花隆 (講談社)

内容紹介(「講談社」より)
既成概念を排し、“常識”をひっくり返す!
激変する東ヨーロッパ、ソ連。

世界が新しい時代に向かってどんどん脱皮をつづけているときに、
相変わらず不毛な政争を繰り返す日本の政治──
歴史の大転換期にあって、いま何が問われているのか。

「私はしばらく前まで、我々の時代は陳腐化した退屈な時代だと思っていたが、
最近は、こんな面白い時代は滅多にないと思うようになった。

目の前で、あ、いま歴史が動いていると
実感できる時代はそうあるものではない。

しかし、翻って世界から日本に目を転じると、
いらいらがつのるばかりである。

世界が新しい時代に向かってどんどん脱皮をつづけているときに、
この国にはそのような動きがまるで見られず、
逆に退行現象が目立つようである。

日本はいま、歴史的に最も大きな繁栄を享受しているが、
どうもこの繁栄はあまり長つづきしそうもないという気がしてならない」
──(「あとがき」より)


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(「1997年の10月6日の読書日記」より)
立花さんの鋭い視点からの情報ウォッチング
『週刊現代』に連載されたコラムの1989年版である。

私が疑問に思っていた事柄を
解りやすく説明(批判)〉がされていたので
ありがたい一冊である。



「同時代を撃つ~PART2」

「同時代を撃つ~PART2」・・・立花隆 (講談社)

内容紹介(「講談社」より)
なぜこんな重大なことが軽視されているのか!
リクルート事件を撃ち、
消費税、政治腐敗、日米関係等々を
明快な論理と分析で縦横無尽に斬る──
いまなにが問われ、どこがおかしいのか。

「ジャーナリストの仕事は、
歴史を最初にスケッチすることであるといわれる。
ジャーナリストのもう1つの重要な役割は時代を批判することである。

批判精神抜きに時代をスケッチしても何の意味もない。

それは書記の仕事にはなっても、
ジャーナリストの仕事にはならない。

また、批判精神抜きに時代を読んでも何にもならない。

その人は、ついに現代も未来もとらえることができない。

本書は、私なりの88年日本の批判的スケッチである。

本書を通じて、批判精神を持って時代を読めば、
時代は自ずから読めてくるものだということを
できるだけ多くの人に知ってもらいたい」──(「あとがき」より)


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(「1997年10月5日の読書日記」より)
立花さんの鋭い視点からの情報ウォッチングである。
PART2は、1988年版なのだが
今現在でも問題とされている、エイズの血友病感染
厚生省と業界の癒着問題等

とにかく読んでいて怒りがこみ上げるような
リサーチが詰め込まれている。

リクルート、なだしお、INF全廃条約etc…

短い文章ながらも、しっかりと自身の批判精神を伝えている
(短いのは『週刊現代』に連載していたコラムを纏めたものなので)

日頃のニュースや、新聞購読のみでは得られない
感じることのできない部分を
本書は、知らせ、批判するべきことにはちゃんと批判し
言葉を濁していないのが、読んでいて分かりやすい。

反面、どうしょうもない政府、官僚に対し“イカリバクハツ!”



「少年H」(下)

「少年H」(下)・・・妹尾河童 (講談社)

内容(「BOOK」データベースより)
この戦争はなんなんや?
―忘れられかけている太平洋戦争とその時代を、
純粋な「少年H」の眼を通して現代に記した、
著者初の自伝的長編小説。

戦争のまっただ中を逞しく生きる悪童と
その家族が感動を巻き起こす大ベストセラー作品。

戦争を知らない少年少女はもちろん
大人たちもぜひ読み継いでほしい名作。

毎日出版文化賞特別賞受賞作。


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(「1997年10月1日の読書日記」より)
本書では、中学生になってからのHが描かれている。

戦争が次第に厳しくなっていく状況や終戦後の様子等…
Hの心の揺れを通して分かりやすく描かれている。

軍国主義のみの教育が、敗戦と同時に民主主義へと
手のひらを返したように急変していくことへの不信感等
世の大人たちへの不信から、
しだい精神的に追い詰められていく
しかし、自殺を決意し失敗した時から
生きていくことに前向きになり、
自己を開いていくH。

当時の少年は、Hのような考えを持っていたのは珍しい
好奇心旺盛で感受性豊かな「少年H]に拍手。


子どもたちに読んでもらえるよう
本書では漢字総てにルビがふられている。



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