本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

2014年03月

「島物語Ⅰ」

「島物語Ⅰ」・・・灰谷健次郎 (角川文庫)

(「BOOK」データベースより)
急に引っ越すなんて無茶苦茶や!
小学4年生のタカユキと姉・かなの反対をよそに、
「人間の生活には自然が大事」
「田舎でたくさんのいのちに囲まれて生きたい」と考える
絵描きの父親は、一家揃って島への移住を決意した。

都会で暮らした家族には不安いっぱいで始まった島の生活。
だが、畑での格闘、ヒヨコの誕生と死、魚採り、などなど、
心ときめく体験を経てタカユキはたくましく成長してゆく。
島に暮らす人々、友達、家族の心温まる交流を交えて描く、自然といのちの物語。
第一部から三部までを収録。


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(「1997年の読書日記」より)
淡路島、渡嘉敷島で、自給自足の生活を経験している著者だからこそ書けた本。
もともとは都会で暮らしていた人が、田舎での暮らしを始める戸惑いや
自然との(命)ふれあいの中で、気持ちが満たされていく心情の変化を
実際に目の当たりにしているように感じるほど、本書は臨場感がありました。



「ワルのぽけっと」

「ワルのぽけっと」・・・灰谷健次郎 (角川文庫)
            ※1997年当時は新潮文庫でした。

内容(「BOOK」データベースより)
デパートで万引きを繰り返し、学校では毎日乱暴ばかりで、
「手に負えないワル」という烙印を押されているセイゾウたち六年生八人組。
彼らの行動の裏に隠された本当の理由とは?

愛すべきワルたちの誇り高き日常を描き、
爽やかな感動をよぶ名作『ワルのぽけっと』をはじめ、
学校や家庭での子どもたちの姿をみずみずしく写し取った全5編を収録。


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(「1997年の読書日記」より)
『センコみたいなもん、どうせわいらの敵じゃー』
デパートで万引きを繰り返す小学6年生8人組。
学校ではワルの烙印を押されている彼らの心が
こんなにも繊細で温かかったとは…。

子どもの心の壁を、優しさに満ちた眼差しで写し取った表題作の他
4年3組の子どもたちと担任教師の悲喜劇を通じ
生きることの素晴らしさを描く「プゥ一等あげます」など
清新な感動を呼ぶ5編を収録。

他、「チューインガム」「いくちゃんというともだち」「へんなこがいっぱい」
この本に出てくる子どもたちは、本当に、けな気に生きている。

一見悪?に見える子も、そうでない子も、とても澄んだ目をして
世の中を見つめ、考えている…長く生きている大人の方が
流れに任せ、あやふやになってしまう生をおくっているのでは…。

その中での救いは、「ワルのぽけっと」の先生や、
「プゥ一等あげます」のたくぼしんいち先生
いくちゃんを見守る保育園の先生方
「へんなこがいっぱい」の嫁丸先生達の存在です。

優しさの中で、ただそれだけにおわらず(子どもに迎合せず)
厳しいときは、ホントに体当たりで子どもに厳しい。

子どもにとって、子どもを息苦しくさせているのは、
知識でがんじがらめになっている大人なのだと
つくづく考えさせられた…。



「すべての怒りは水のごとくに」

「すべての怒りは水のごとくに」・・・灰谷健次郎 (倫書房)

(「BOOK」データベースより)
わたしが受けた衝撃から語りはじめたい。
三年間中学校に行かなかった少女からの手紙がわたしに届いた。
少女の文章には一個人の体験にとどまらず「教育」というもの
さらには人類の行く末までに至る問題が含まれていたのだった。
怒りを怒りとしてでなく、すべての怒りを海に注ぐ水のごとくに
未来を見据て語ったその静けさが、私たちの胸を深く、
そしてつよくたたく。

表題作の他、子供の詩、島での暮らし、北朝鮮問題
人生で巡り合った人たち、あれこれの本などを巡る
灰谷健次郎氏のエッセー集。
子どもの心、いのちの行方を真摯に見つめ
深い示唆に満ちた一冊。


すべての怒りは


[目次]
すべての怒りは水のごとくに―ある少女の声
回転木馬
とても困った、ある日々のこと
わたしの中の水上勉さん
優しい人びと
映画を見るのが怖かった
島で暮らす
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)訪問の記
本あれこれ
希望への橋―わたしの子ども原論

(「1997年の読書日記」より)
この本はエッセーである。
新聞連載されていた「回転木馬」も収録されていて
連載中読みそこなった回もあったので嬉しい限りである。
それにしても、灰谷さんは自分自身に厳しい。



「はるか・二ライ・カナイ」

「はるか・ニライ・カナイ」・・・灰谷健次郎 (理論社)

(「古本ぺんぎん堂」より)
ニライ・カナイの神さまに見守られた生命輝く海に暮らす島人たちのこころは優しい。
自然と生き物に囲まれる生活からゆたかな知恵を得て成長する子どもたち。
都会の学校生活に戸惑う不登校の少女が島で新しい人生を歩き始める。
海のむこうの神々の島。
豊饒と生命の源であると信じられてきたニライ・カナイ。
そんな楽園に近い島・沖縄の離島、渡嘉敷島での日々の暮らし。

でも、そこに住む人々が優しいのは、大きな痛みを抱えているからでもある。
いまなお、島民の心に傷を残す戦争の影。
あたたかい物語でありながら、悲惨な戦争体験をきちんと描いてあって、
大人にも子どもにも是非読んでほしい一冊。
命の大切さを、伝えることは難しい。

誰もが、悩み、自分が生きる意味を見つけられないでいる
この世界で、「なぜ生きるのか」説得力のある理由なんて
大人だって上手く見つけられやしない(泣)
でも、生きたくても生きられなかった人が確実に存在したんだ。

おおらかに見える島の人々の心の中には
「私たちが楽しく元気に生きなければ、戦争で死んでいった人たちはどうなる?
死んだ人をいつまでもいつまでも生かし続けるためにも、
私たちが元気で仲良く暮らさないといけない」という価値観が浸透していて、
それが優しさにつながっている気がした。

「かけがえのない沖縄、そして島、わたしはなによりも誰よりも愛している。」
という灰谷さんの気持ちが伝わってくる作品だ。


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(「1997年の読書日記」より)
1997年当時に書いた読書日記が意味不明で…?^^;
とりあえず載せてみますが…

氏が現在居している(本が出版された当時)沖縄県の離島、渡嘉敷島
その島を舞台に描いている物語なのだが、
島の優しき人々、自然の美しさ、そして厳しさ
きっと著者がモデルであろうと思われる、絵描きの先生
都会育ちで傷つき島へ来た少女

その中でも、紛れもない真実は、50数年前の島での出来事
戦争という渦に巻き込まれ、島の人々が辿った歴史は、あまりにも悲しい

そのすべてに対して、氏は包み込むような優しさで本書を書いている。


あまりにまとまりのない文章で恥ずかしい限り^^;



「ヒロシマ・ノート」

「ヒロシマ・ノート」・・・大江健三郎 (岩波新書)

内容(「BOOK」データベースより)
広島の悲劇は過去のものではない。
1963年頃、現地を訪れた著者の見たものは、
十数年後のある日突如として死の宣告を受ける被爆者たちの
“悲惨と威厳”に満ちた姿であり、医師たちの献身であった。

著者と広島のかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。
平和の思想の人間的基盤を明らかにし、
現代という時代に対決する告発の書。


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(「1997年の読書日記」より)
この本は、原爆が投下されてから20年後に出版されているのだが
この国の体質は何の進展もみせず、かえって後退しているように感じる。
沖縄においての諸問題についても同じことが言えるのでは…。



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